がんの相談Q&A
ウェブサイト上で閲覧・相談できるがんの相談Q&Aのご紹介
1.MDアンダーソンがんセンター「チームオンコロジー.Com」のご紹介
Japan TeamOncology Program(J-TOP)は、全米で最も優秀ながん専門施設のひとつであるMDアンダーソンがんセンター監修のもとに実施されているプログラムです。「チームオンコロジー.Com」では、一般の方(患者さん、家族、その他)向けの掲示板があり、主に患者さんと医療者、また家族とのコミュニケーションの話題を中心に意見交換が可能です。がん医療の集学的アプローチの実践的取り組みを研修する“チームオンコロジーワークショップ”および“米国留学研修プログラム”で学ばれた約80名のチューターおよびメンター(医師、看護師、薬剤師)、ならびにMDアンダーソンの上野直人医師が、いただいた投稿に対しディスカッションを行い、とても丁寧にご回答されています。2.がん体験者の悩みQ&A(Web版がんよろず相談Q&A)のご紹介
「がん体験者の悩みQ&A(Web版がんよろず相談Q&A)」は静岡県立静岡がんセンターが運営するサイトです。がんを経験された方の悩み相談とその回答が10,000件以上寄せられており、具体的な相談に対する回答が掲載されています。またフリーワードで検索して、ご自分の悩みに近い相談を閲覧することができます。 また静岡がんセンターではウェブサイトだけでなく、お電話でのご相談も実施されています。お電話でのご相談受け付けはこちらです。3.日本対がん協会 がん相談ホットラインよりQ&Aのご紹介
日本対がん協会の「がん相談ホットライン」では、看護師や社会福祉士の資格を持つ相談員がお電話で相談に応じています。お受けすることの多いがんの相談
- 複数の治療法を説明されました。どれにしたらよいのか、決めることができません
- セカンドオピニオンとは、何ですか
- セカンドオピニオンを受けたいけれど、担当医に言い出しにくいです
- がんと診断され手術を予定していますが、治療費が高額になるのではないかと心配です
- 担当の先生が忙しそうで、なかなか質問ができません
- 抗がん剤治療の効果がないので、緩和ケアのできる病院に転院するように言われました
- 健康食品を使いたいのですが、どう考えますか
他にもこのようなご相談をお受けしています
- 副作用が心配です。
- セカンドオピニオンはした方がいいでしょうか。
- がん保険に加入していないので、医療費がどれ位かかるか心配です。
- 患者にかける言葉や、どのように接したらいいかが分かりません。
- 会社にはどう話したらいいでしょうか。
- 再発が心配です。
- 前向きな気持ちになれなくて辛い。
- 検査前で気持ちが落ち着かない。
Q. 複数の治療法を説明されました。どれにしたらよいのか、決めることができません
A. 担当の先生からそれぞれの治療のメリットとデメリットについて、十分に説明を受けていますか。また、難しい言葉を分かるように説明してもらいましたか。
ホットラインの相談員は医師ではありませんので、治療に関する意見を申し上げることはできません。しかし、先生から聞いた説明を思い出し、お話をなさるうちに、治療に対するご自分の気持ちに気づいたり、考えが整理されてきたりすることがあります。
Q. セカンドオピニオンとは、何ですか
A. セカンドオピニオンとは、担当医以外の医師の意見を聞くことです。診断を確認したり、治療方針を確認したり、その他に治療方法がないかを確認したりすることができます。
したがって、治療開始前だけでなく、治療方針が変更になった時にもセカンドオピニオンを受けることができます。多くは予約が必要で、健康保険が利かない場合があります。
大切なことは、担当医の意見(ファーストオピニオン)をしっかりと聞くことです。担当医に疑問点を質問し、患者さんやご家族が治療について理解してこそ、セカンドオピニオンと比較することができるからです。
Q. セカンドオピニオンを受けたいけれど、担当医に言い出しにくい
A. 遠慮なさらずに、「他の先生の意見も聞いてみたいので、紹介状を書いていただけませんか。あとで報告に来ますので、これからも相談にのってください」と言ってみたらいかがでしょうか。お一人お一人、いろいろな事情があることと思います。ホットラインでは、お話をうかがいながら、その方に合った方法を一緒に考えます。
Q. がんと診断され手術を予定していますが、治療費が高額になるのではないかと心配です
A. 標準的な治療であれば、保険が利用できます。また、手術の内容や検査内容がわかれば、病院の会計窓口などで概算を教えてくれます。
高額療養費制度をご存知でしょうか。同じ月の間に同じ医療機関の同一の診療科で保険適用の自己負担額が一定の金額を超えた場合に、申請すると超えた額の払い戻しが受けられる制度です。気をつけていただきたい点は3つあります。
- 入院と外来は月ごとに別々に計算します
- 事前に限度額適用認定証を発行してもらい病院の会計窓口に提出すれば、限度額までの支払いですみます
- 過去一年以内に高額療養費となる月が4回以上になった場合には、4回目から自己負担限度額が下がる仕組みがあります。
詳しくは、加入している保険証の発行機関にお問い合わせください。
Q. 担当の先生が忙しそうで、なかなか質問ができません
A. 先生が忙しそうで、質問しづらいのですね。入院中なら、担当の看護師に頼んでおけば時間を取ってもらえるでしょう。外来のときは、聞きたいことをあらかじめ絞って箇条書きにしてみましょう。メモをそのまま医師に渡しても大丈夫です。
また、矢継ぎ早に質問したり問い詰めたりすることは避け、「とても心配なので聞きたいのです」というふうに、気持ちを込めて話してみたらいかがでしょうか。医師との間も人間関係ですので、患者さん側から話しやすい雰囲気を作ることも大切です。限られた時間内でも、工夫をすれば医師に質問できるのではないでしょうか。
Q. 抗がん剤治療の効果がないので、緩和ケアのできる病院に転院するように言われた。どうしたらいいのか分からない
A. 緩和ケアとは、がんが起こす痛みなどの苦痛となる症状すべてに対する治療のことです。身体的な症状だけでなく、心の問題も相談することができます。全国の緩和ケア病棟を有する病院一覧をご覧ください
また、往診医や訪問看護ステーション、介護保険のサービスを利用しながら、ご自宅で緩和ケアを受けることもできます。ホットラインでは緩和ケア病棟のある病院の受診の方法や、介護保険の申請方法などについてご案内します。
Q. 健康食品を使いたいのですが、どう考えますか
A. 現在のところ、がんが小さくなったり、なくなったりする効果が科学的に証明された健康食品はありません。また、治療中の人が避けた方がよいものもあります。ただし、それを服用することで、安心感が得られる場合があるかもしれません。服用に関しては、担当医に十分相談なさるようお勧めします。