がんになっても安心して暮らせる福島県を目指して
2003年8月、鈴木牧子さんは、腹痛をきっかけに検査入院したら、卵巣がんだとわかった。娘が2人いる。「女性のがんだし、悪い遺伝子を残しちゃったな」「家族の中で自分でよかったな」と思ったという。48歳だった。卵巣と子宮を全摘して、それから2年間、抗がん剤治療を受けた。 がんになる前は「なんでもできる」とバリバリ活動していただけに、疎外感を覚え、あまり人とも会いたくなくなった。しかし、患者や家族、遺族が語り合う「ひいらぎの会」との出会いなどをきっかけにだんだんと気持ちが戻ってきたという。 2010年からは福島県でリレー・フォー・ライフの実行に携わり、2011年の東日本大震災の後には、多くの被災者の相談に乗った。現在は、理事長を務めるNPO法人がんピアネットふくしまの活動として、被災地の南相馬市から奥会津地区まで県内11カ所でサロンを開いている。 「まきどん」の愛称で親しまれる鈴木さんが目指すのは、「がんになっても困らない福島県」。独自のリーダー論まで話題が広がり、垣添との対談は大いに盛り上がりました。 どうぞこちらをご覧ください。【鈴木牧子(すずき・まきこ)】1954年、北海道生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒。2003年8月、卵巣がんが見つかる。2010年から、福島県でリレー・フォー・ライフに取り組む。2014年、アメリカ対がん協会が認定する「ヒーローズ・オブ・ホープ」に選ばれた。2015年、福島県内のがん患者会や関連団体の連絡協議会「がんピアネットふくしま」の理事長に就任。患者や家族のメンタルケア・遺族のグリーフケアを中心に活動する「ひいらぎの会」の代表世話人も務める。