最近のがん治療は入院期間が短くなり、通院で行う治療が増えています。
通院治療の場合、入院治療と違って医師や看護師などの医療者と接する時間が少なくなります。治療が終わって経過観察ともなれば、より一層そうなります。 何かあっても入院中のようにすぐに医療者に相談することが難しくなってしまうのです。
「抗がん剤治療中で風邪をひきました。近くの病院で診てもらっていいですか」 「昨日退院しました。熱が出ていますが様子を見ていいですか」 「手術の跡が〇〇になっています。次の外来は3カ月後ですが、その時に話せばいいですか、その前に診察を受けに行った方がいいですか」
ホットラインにはこのような相談が頻繁に寄せられます。
こんなことで病院に連絡したら申し訳ない、以前連絡したら対応が悪かった、など理由は様々ですが、病院に気軽に相談できないという悩みは共通しています。
医療者から、どういう時に病院に連絡し、どういう時は近くの病院やクリニックで診てもらえばいいかなど、あまり説明されていないという事情もあります。加えて、“がん治療は特別”という思いから判断が難しくなっている様子もうかがえます。
また、「近くの病院を受診したら、がんの治療をしているならその病院へ行くようにと言われて、診てもらえなかった」という声を聞くことも少なくありません。 そばに医療者がいないなかで何かあれば、動揺したり不安になったり、心細くなったりするのは当然です。症状があると「再発したのでは……」「転移だろうか……」と不安な気持ちを抱くのもまた、自然なことです。
私たちは、それを受け止めたうえで、相談者の症状や、困っている状況を聞き、病院のどこに、どのように聞けばよいか等を具体的にお伝えするようにしています。
一方、患者さんやご家族が出来ることもあります。 どのような症状が出る可能性があるか、そのような時はどうしたらいいのか、自分で対処できることがあるか、病院に連絡する時は誰に連絡したらいいのか。 それらのことを退院前に医師や看護師に確認しておくのです。通院治療をしている方も同様です。こうした事前の備えが安心につながるのではないでしょうか。