日本対がん協会の「がん相談ホットライン」には、新型コロナウイルスで不安になっている患者さんやご家族からたくさんのご相談が寄せられています。
「このまま治療を続けるほうが命を落とすことにならないでしょうか……。新型コロナウイルスに感染したらどうしよう……」 抗がん剤治療中の方からの相談でした。
通院時以外はずっと自宅にいて、食材の買い出しも控え、外出はしないようにしているといいます。でも、治療のために通院はしなくてはいけない。その時に感染しないだろうか、病院は安全なのだろうか、不安を挙げればきりがないと言います。
こうした不安はこの相談者に限ったことではありません。 「がん患者は感染のリスクが高いのでしょうか?」 「経過観察で受診日が近いけれど、病院に行くのは怖い」 「予定通り治療を受けられるだろうか?」 新型コロナウイルスに関する悩みや質問のない日はありません。
患者さんだけではありません。 「残された時間があとわずかなのに、新型コロナウイルスのせいで面会ができない。最後の時を一緒に過ごすことができません」 ご家族からの切実な声も寄せられています。
私たちがいま行動をしなければ、この先こうした不安や悲しみを抱えた人がより増えていきます。ホットラインは、一日でも早く状況を変えたいと強く願っています。
だからこそ、あなたの協力が必要です。
気分転換にと、スーパーに家族そろって買い出しに行っていませんか? 食材を買いに来ただけだし、地元だからと商店街に長居していませんか? ご近所の方と、外だから大丈夫だと触れ合える距離でおしゃべりしていませんか? わいわいがやがやとジョギングしていませんか? 自宅だから平気と友達を呼んで家飲みをしていませんか?
気づかないうちに、「3密(密閉・密集・密接)」の状況を作ってしまっているかもしれません。誰かを感染させているかもしれません。
でも、あなたやあなたの周りの人々の行動で、多くの命を救うことができます。ほんのちょっとの心がけで、がん患者さんが安心して治療や検査を受けられる未来をつくることができるのです。 それをするのは、「いま」です。思いっきり大声で笑い合えるように、一緒にがんばりましょう。