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新型コロナウイルスを越えて ~一の宮カントリー倶楽部のチャリティーゴルフ~

掲載日:2020年7月10日 13時41分

感謝状を川﨑陽子社長に贈呈。

 想定外の電話でした。  6月末、房総半島のゴルフ場、一の宮カントリー倶楽部からです。  こちらの倶楽部では、毎年、7月に乳がんのチャリティーゴルフコンペを開いて、日本対がん協会のほほえみ基金にご寄付をいただいています。私は感謝状をお持ちして表彰式でお渡しするほか、メンバーのみなさんとテーブルを囲んでいます。

 今年は間違いなく中止だろうと思っていました。ところが、先の電話で、「参加人数は少ないけれど実施します」と、ありがたいお言葉をいただきました。「感謝状は郵送で」というご配慮でしたが、7月5日の日曜日、感染防止には最大限気を付けてお持ちしました。


継続は力なり

 一の宮カントリー倶楽部は、外房線上総一ノ宮駅から車で10分ぐらい、ゆるやかな山を少し登ったところに広がっています。

 例年は80人ぐらいご参加されますが、今年は37人。九州に豪雨が降ったときで、関東でも一部で大雨となり、みなさん、ハーフで切り上げました。表彰式は、各テーブルの間をたっぷり取って行われました。

 社長の川﨑陽子さん(51)は、「新型コロナウイルスで中止」という選択肢は考えなかったそうです。

「続けることが大切です。年に1回、がんのことを考える機会でもあります。コロナに隠れていても、ほかの病気や交通事故など、気を付けることはたくさんあります」  川﨑さんが中学1年のとき、担任の先生がしきりに「継続は力なり」と言っていたそうです。相性はあまりよくなかったらしいですが、言葉が残りました。

密を避けて行われた表彰式と、挨拶する競技委員長の米村嘉耿さん。


小児がん、盲導犬のチャリティーも

 倶楽部の副理事長で、このコンペの競技委員長である米村嘉耿さん(78)は、今年の6月末、いとこの奥様を乳がんで亡くされたそうです。お母様も乳がんで亡くされていて、夫人の初代さん(78)は胃がんの手術を受けています。がんを身近に感じておられます。

「ゴルフができること自体を感謝したい。チャリティーは一の宮カントリー倶楽部のひとつの看板で、社会貢献の意識の表れです」とおっしゃいます。

 倶楽部ではほかに、盲導犬、小児がんのチャリティーコンペも毎年開いていて、10月と来年1月を予定しています。

 新型コロナウイルスの影響で、ギリギリで運営している状況です。しかし、川﨑社長は、そんな様子を微塵にも感じさせません。「ゴルフの腕前ですか? 私は『(カップに入るまで何打も打つから)一打は安い女』なんです!」と笑います。表彰式の後には、駅までの送迎バスに乗るメンバーたちに、大きく手を振っていました。

 あくまで自然体。スタッフのみなさんも同じです。だからこそ、あたりまえのようにチャリティーコンペも継続できたのかなと思いました。

表彰式の後、感謝状はフロントのカウンターに。

日本対がん協会 中村智志

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