今回のがんのココロ(略して、がんココ)は、前回に引き続き「みんなのアンケート」の結果発表です。テーマは、「お見舞いでもらってうれしかったモノ」!
お見舞い品は、ただの“モノ”ではありません。
長引く入院生活をちょっと楽しい気持ちにしてくれたり、体がつらいときや不安なときに、持ってきてくれた人の温かさを感じられたりもするのです。
回答に添えられたお見舞い品にまつわるエピソードは、読むと優しい気持ちになるものばかり。ぜひ、一つひとつ、じっくり読んでみてください。
※回答の文章を短くしている場合もあります。
【病室やベッドサイドに飾るもの】
●花
入院中、同僚とそのお子さんがお見舞いに来てくれました。お見舞いに行くと聞かされたその子は、家の周りに咲いていた小さな花を1本摘んできてくれました。小さな子供の優しさにとっても癒されました。(まーささん・子宮体がん・30代・女性)
●花飾り
小さな明るい色の花飾りを、同僚から。ベッドサイドに置いて眺めていた。(オリーブさん・乳がん・60代・女性)
●ヒマワリのポストカードと手紙
遠方に嫁ぎ、しばらく疎遠になっていた高校時代の友人とたまたま会う機会がありました。そのころちょうど針生検の結果待ちで、不安な気持ちを打ち明けました。
その後、乳がんと分かり手術することを知らせると、温かい励ましのお手紙と共に青空に映えるヒマワリの花畑のポストカードが添えられていて、とても感動しました。
入院時にはそのポストカードを病室に飾り、よく眺めていたものです。こんな、素敵な心遣いのできる人に私もなりたいな、と思いました。(チルチルさん・乳がん・40代・女性)
●マスコット
握った感触の良いマスコット。仕事がらみの方から。(emiさん・子宮肉腫・50代・女性)
●手作りのペンダント
恋人未満の彼と一緒に行った海で拾った「シーグラス」で、ペンダントを作ってプレゼントしてくれた。入院時に「おまもり」として持参した。(まりりんさん・乳がん・60代・女性)
●手作りの日めくりカレンダー
息子と娘が、お手製の日めくりカレンダーを作ってくれました。入院生活でつらいときにカレンダーをめくるのがとても楽しみでした。(健斗くん・肺がん・40代・男性)
●手作りのメッセージプレート
娘が作ってくれた、家族(夫、娘、息子、孫4人)の写真をコラージュした大きなプレートとメッセージ。次女親子が変顔をして写っていたので、見るたびに笑えて和みました。(ハピネスさん・乳がん・50代・女性)
●写真立て
友人から写真立てをもらった。写真好きなので。親子の写真を入れています。(6にゃんさん・乳がん・40代・女性)
●家族の写真
最近の家族の写真を妻に印刷してもらい、入院中に見られるよう立てかけておきました。(MWさん・舌がん・40代・男性)
病室は、基本的に無機質です。最近では、居心地のよさを考えた色合いや木目の柄を取り入れてくれてはいるものの、当然ながら治療を第一に考えられた空間です。
ところが1つでも彩りを添えるものがあると、途端に病室の雰囲気は変わります。
華やかな気持ちになれる小物や会いたい人たちの写真は、たとえ小さくてもの温もりを感じさせてくれるもの。眺めるたびに外の世界とつながる、「自分だけの窓」といったところでしょうか。
私が入院のたびに飾っていたのは、姉が病院の売店で買ってきてくれた小さな犬のぬいぐるみ。かわいさもさることながら、「ワンコがいるから寂しくないよ」と差し出した奥にある、姉の思いに心が安らぎました。
【入院・療養を心地よくするグッズ】
●曲入りのiPod
元気が出る曲がたくさん入っているiPod。(広瀬さん・乳がん・50代・女性)
●ポータブル・ブルーレイプレーヤー
とにかく、入院中は韓ドラ三昧でした。時間が過ぎるのが早かった! 娘夫婦から「楽しく過ごしてね」と。(みかちゃん・子宮頸がん・50代・女性)
●踊る姿を撮ったDVD
職場の同僚から、当時流行っていた曲のプロモーションビデオを真似して皆が踊る姿を撮影したDVD。(わかさん・乳がん・40代・女性)
●本
入院中わりと元気でしたので、ミステリー小説の差し入れがうれしかったです。夫が本好きでいろいろ選んでくれます。コロナで面会は15分のみで、病棟も静かで読書が進みました。(ふわぷくさん・直腸がん・60代・女性)
私を励まそうと、本の差し入れをいただきました。タイトルは忘れましたが、確か生きる望みを感じる物だったと覚えています。
ただ入院中は細かい文字は辛かった事も覚えている(笑)。来ていただいた事が最高のプレゼントかな。
でも、本をプレゼントしてくれた人は、その後、ゴルフ場で突然死をされてしまった。18番ホールをホールアウトしないままでした。あの世に行ったら一緒にホールアウトしたいです。(ほりきんさん・肺がん・60代・男性)
●パジャマ
叔母から入院中にもらったかわいい柄のパジャマです。なかなか入院生活だとかわいいものを目にする機会もありませんが、ふとした瞬間にかわいいパジャマが目に入ると心がウキウキしました。(ろこちゃん・胚細胞腫瘍・20代・女性)
●クッション
同僚から、治療で休みに入る前日、ピンクの豚のクッションをもらいました!
入院中、腰が痛いときクッションを当てたり、病院の枕が高くて硬かったので枕にしたりと、触り心地もよくて癒されました。ほんと感謝です。(まさこさん・乳がん・50代・女性)
●タオル、折り鶴、手紙
一羽の折り鶴と、手紙と、私が好きな色のタオルを郵送してくれました。(おこたんさん・乳がん・60代・女性)
●シャンプー、フルーツ、折り紙の作品
美容院の頭皮に優しいシャンプー。吐き気でなかなか食べられなかった時のカットフルーツを姉から。同僚のお子さんから、折り紙の作品。病室が明るくなりました。(くうちゃん・子宮頸がん・50代・女性)
●手編みの乳房パッド
病院の患者会で同じ病気の先輩からいただいたのがうれしくて、「こんなのを作っている方がいるんだ」と感動しました。(えみりんさん・乳がん・50代・女性)
実用品は、「その人が本当に必要かどうか」の見極めが重要で、なかなかにチョイスが難しいもの。相手のことを考えて選び、喜ばれている人がこれだけいるのは、本当にスゴイ!
なかでも、「元気な曲が入っているiPod」や「みんなで踊ったビデオ」は、ユーモアのあるナイスなアイデアだな〜と感心しました。作って楽しい、もらってうれしい逸品。私もぜひ、マネしたいです。
私が友人からもらってうれしかった実用アイテムは、シルクの靴下。触れるだけで眠くなりそうなふんわりとした柔らかさで、「寝ているときでも履けるように」と、考えて選んでくれたそうです。今も大切に使っています(穴が開いてきたけど)。
【食べ物・飲み物】
●チョコレート
大部屋で入院生活を送っていたときのこと。退院する同室の方が、「もう退院するから、よろしければ……」とチョコレートを分けてくださいました。
病気のことでいっぱいいっぱいで、おやつを持ってくる気持ちの余裕もなかったのですが、病室で食べたチョコレートの美味しかったこと! 「退院までがんばろう!」と元気がでました。
その方とは少ししかお話できませんでしたが、とっても感謝しています。(lisuさん・甲状腺がん・40代・女性)
一緒に働いていたドクターが、「乳がんの手術後ってリハビリやるでしょ? リハビリちゃんとやったら一個食べると達成感もあるし、減っていくと退院近いんだ~ってうれしくなるでしょ」と、ちょっと高級な(笑)チョコレートを10粒いただきました。
入院生活やモチベーションを考えて差し入れしてもらったことがうれしかったです。(ヨネさん・乳がん・50代・女性)
●ちょっといいスイーツ
ちょっといいスイーツ、お菓子、タオル、ハンカチetc(おかちさん・肺がん・30代・女性)
●ヨーグルト
前の会社の上司から、ヨーグルト専門店のヨーグルト。(ラブスヌーピーさん・卵巣がん/子宮頸がん・40代・女性)
●バナナ
白血球の数値が低くて、治験の抗がん剤が投与できないかも、というとき、嘘か誠か(笑)「バナナがいいよ」という話になり、友人がわざわざ届けてくれた! また、同室の方が「他にもあるから」と一本分けてくださった。(NOBUさん・乳がん・50代・女性)
●果物(ぽんかん、日向夏) 疎遠だった親戚が、私ががんの手術を受けたことを聞いて送ってくれた見舞い品。ビタミン補給に効果あり。(ぶさいくさん・乳がん・50代・女性)
●お茶
ペットボトルのお茶。片手でペットボトルから飲めるような仕様になっているもの。(おぎちゃん・乳がん・50代・女性)
●飲み物やケーキをご馳走してくれた
抗がん剤治療中にヨレヨレしながらも散歩をしていて、途中立ち寄っていた顔なじみのカフェで飲み物やケーキをいつもご馳走していただいた。(スターガールさん・子宮体がん・50代・女性)
告知から、駆け足のように入院や手術へと続いてしまうと、lisuさんのように「楽しむためのもの」を考える余裕がないこともあるかもしれません。そんなときの一粒のチョコレートは、心にゆとりを与えてくれるものだったのではと思います。
私がもらった食べ物の思い出といえば、「駄菓子」。
「駄菓子がいい」と友人にリクエストしたら、予想外に大量の駄菓子を買ってきてくれました。レジ袋いっぱいに詰められていて、テンションが急上昇! 毎日「今日はどれにしようか」と考えるのが楽しかったです。
食べることは、体に栄養を与えるのはもちろん、心にも活力を与えてくれます。
食べ物のお見舞い品は、「元気になってほしい」という思いが、ダイレクトに込められたアイテムなのかもしれません。
【お守り、千羽鶴】
●お守り
(かきさん・卵巣がん・40代・女性)
●手作りのお守り
手術前に手作りのお守りをいただき、うれしくて涙が出ました。
離れて暮らすとても大切な友人が、私の罹患をとても気にかけてくれ、がん封じの神社にお参りしてくれました。そして、手術に向けた入院時にお守りを作ってくれたのです。(菊次さん・乳がん・50代・女性)
●千羽鶴、お守り、手作りの帽子、実用本
千羽鶴を、友達、ご近所の皆さん、同期の家族から。
お守りを、同僚、友達(わざわざ遠方まで出かけてくれたり、お百度参りをしてくれたり)から。
手作りなどの帽子を、がん友から。
リンパ浮腫に関する本や、がん予防の本を、友人、家族から。(ぴっかりさん・子宮体がん/甲状腺がん・50代・女性)
お守りや千羽鶴は、まさに“人の願い”そのもの。実用的でもなく、食べられるのでもなく、「よくなるように」「守ってもらえるように」という願いだけがあるものです。だからこそ、心に響くのだろうと思いました。
前回のがんココで「友人が、絵馬を奉納してくれたことがうれしかった」と書きましたが、なぜ私はそんなにうれしかったのか、今、わかった気がしました。
【お見舞い金、ネットコイン】
●お見舞い金
お見舞い金。貧乏ですから。(ミッキーさん・食道がん・70代・男性)
●iTunesカード
iTunesカード等のネットコインでしょうか。入院中よく音楽を聴いていたので、音楽がネットで購入できるのが助かりました。(モモさん・胃がん・30代・女性)
実際のところ、「お金は大事!!」です。
がんでの出費は、治療費だけでなく、仕事を休まざるを得ない間も生活費はこれまで同様に出ていくという、言わばダブルパンチのようなもの。私も家族からのお見舞い金は、本当にありがたかったです。
【お見舞いに来てくれた・メールを送ってくれた】
●お見舞いに来てくれたこと
人が来てくれることが一番うれしかった。(ふちゅくまさん・卵巣がん・50代・女性)
突然のお見舞いがうれしかった。(ノブさん・大腸がん・50代・男性)
排泄にリンクした大腸がんのため、直接の病院への見舞いではなく、メールでの見舞いがうれしかった。(アグリさん・大腸がん・50代・男性)
「お見舞いに来てくれることがうれしい」
結局のところ、これに尽きます。
「会いに行きたい」と思ってくれる気持ちがうれしい。
「コレをあげよう」と考えてくれる時間がうれしい。
最近では、新型コロナウイルスの影響で面会が制限されている病院が多く、患者さんは一人で不安を抱えているのではないでしょうか。
そんな、直接会えない今だからこそ、モノの出番かもしれません。
これからお見舞いをあげようと考えている人は、いつも以上に気持ちをいっぱい詰め込んでプレゼントしてもらえるといいなと思います。
次回は、みんなの「治療中に役立ったモノ」のアンケート結果を紹介します。どんなモノやアイデアが登場するか、お楽しみに!
▼「みんなの「脱毛」アンケート! 〜楽しみ方、気持ちのアップ法も〜」記事はこちら
https://www.gsclub.jp/tips/15540
▼「みんなの「うれしかった言葉」アンケート! 〜何度も読み返したくなる一言集〜」記事はこちら
https://www.gsclub.jp/tips/16236