治療を経験した人だからこそ気づく、「これが役に立った!」というモノのアンケート。たくさんの回答をいただき、ありがとうございました!
今回は、6つのカテゴリーでまとめてみました。
「入院中に役立った実用品」 「入院中に役立った家電」 「入院・療養生活をほっこり快適にするモノ」 「抗がん剤治療中に役立ったモノ」 「手術後に役立ったモノ」 「日々の暮らしで役立ったモノ」
「私も使ってた!」と共感するモノや、「その手があったか!」とうなるアイデアがいっぱいです。治療中の方や、これから治療を始める方も、ぜひ参考にしてみてください。
※回答の文章を短くしている場合もあります。
【入院中に役立った実用品】
●小さな洗濯ピンチ
ちょっとしたものが干せる。(おぎちゃん・乳がん・50代・女性)
●小銭入れ、手提げバッグ
入院中は、小銭入れと貴重品入れのカギが入る程度の小さな手提げが役に立ちました。(スターガールさん・子宮体がん・50代・女性)
●S字フック、小さな手提げバッグ
そのほか、スティック珈琲&紅茶。(オリーブさん・乳がん・60代・女性)
●いろいろな種類のティーバッグ
温かい物を飲んだ方が身体にいいし、しばらくはコンビニに行けなかったし、重いペットボトルは持てなかった。(おこたんさん・乳がん・60代・女性)
●ストロー付きのペットボトルのふた、ふた付きのマグカップ
そのほか、100均で買ったツボ押しグッズ、フェイスパック。(ハピネスさん・乳がん・50代・女性)
●クロックス(サンダル)
クロックスは、夜中にトイレに行く時など静か。ラバー製のマグカップのふたや、ベッドの柵に付けられる小物入れも。(ぴっかりさん・子宮体がん/甲状腺がん・50代・女性)
●ふき取り化粧水
(emiさん・子宮肉腫・50代・女性)
以前、がんのココロ第31回「“教科書”にない入院持ち物リスト」https://www.gsclub.jp/tips/11573で、キグチなりの持ち物を書いたことがありますが、私自身の経験もあわせて共通するのは「ちょっとした工夫」だと感じました。
大きな「コレ!」というものではなく、見逃してしまいそうな細かいポイントが入院生活をだいぶ快適にしてくれます。いずれも小さなモノなので、バッグにちょこっと忍ばせて持って行ってもいいですね。
オリーブさんやおこたんさんと同様、私も入院時には、ティーバッグやインスタントの飲み物を持って行きました。家でよく飲んでいた温かいハーブティーを飲むと、とてもリラックスできたな〜と思い出しました。
【入院中に役立った家電】
●電源タップ
スマホ等を充電するのにコンセントが高い位置なので大変でした。(モモさん・胃がん・30代・女性)
●パソコン、Wi-Fiルーター
ノートパソコンとWi-Fiルーター。入院中、ごく最低限の業務連絡の必要があったので会社のパソコンを持ち込んだのですが、体調がいいときネットで調べものができました。あまりに便利なので、自宅療養が始まってすぐ、私用のノートパソコンを新調しました。(MWさん・舌がん・40代・男性)
Wi-Fiのレンタルはとても役に立ちました。Amazon primeの動画をパソコンで観ていました。(健斗くん・肺がん・40代・男性)
●タブレット
入院中、自宅療養中ともに、タブレットは今や必需品です。病室内もWi-Fi環境があるので助かります。(ミッキーさん・食道がん・70代・男性)
●ラジオ
ポケットラジオ。(emiさん・子宮肉腫・50代・女性)
テレビの音が聴けるラジオ。テレビは10分10円だったので節約できた。今ならワンセグテレビを持ち込むのかな。(ふちゅくまさん・卵巣がん・50代・女性)
ラジオと、スマホのアプリ「radiko」。いつもの番組を聴くことで、病室という非日常空間でも普段の生活を取り戻すことができました。(lisuさん・甲状腺がん・40代・女性)
●CDプレーヤー、携帯電話
治療をしていた18年前は、音楽や落語を聞くのにCDプレーヤー。今の時代ならiPhoneで好きな音楽を聴く! ですかな。(ほりきんさん・肺がん・60代・男性)
入院中に携帯で動画を見てストレスを発散していた。(わかさん・乳がん・40代・女性)
●電子辞書
搭載されているクラシック曲を点滴中に聴いていました。(ラブスヌーピーさん・卵巣がん/子宮頸がん・40代・女性)
●イヤホン
テレビを見るときに欠かせません(*´∀`*)(おかちさん・肺がん・30代・女性)
●読書灯
携帯式の読書灯。(ぴっかりさん・子宮体がん/甲状腺がん・50代・女性)
私が入院することになって気づいたのは、「想像以上に元気な時間が多い」!
そうなると、ヒマなのです。スマートフォンが1つあれば、かなり退屈をしないで過ごすことができますが、パソコンがあればブログを書いたり、仕事を片付けたりもできて便利。ベッドサイドにLANが設置されていたので、Wi-Fiに変換する旅行用ルーターを持っていきました(病院によって規則が違うため、確認してくださいね!)。
現代の技術を使えば、前からやりたかった勉強や創作、今後やってみたいことをじっくりと調べるなど、さまざまな時間の使い方ができます。がんでの入院が、新しいことに挑戦する機会になるかもしれません。
ところが、私が次に入院予定の病院は、病室でWi-Fiを使うことができません。パソコンがただのワープロになってしまうという……。そんな環境下での過ごし方も考えながら入院してきたいと思います!
【入院・療養生活をほっこり快適にするモノ】
●枕
自宅で使用しているものは無条件で落ち着きます。病院の枕は固くて高さも合わず、ホントに持っていってよかったです。(チルチルさん・乳がん・40代・女性)
●枕カバーとタオルケット
フワフワのタオル素材のもの。肌触りがいいので、気持ちがほっこり、しあわせな気持ちになれた。(広瀬さん・乳がん・50代・女性)
●クッション、たくさんの本
入院中、自宅療養中に座ったり寝転がったりするのにクッションは大事でした! 本は暇つぶし!(まーささん・子宮体がん・30代・女性)
入院中や自宅での就寝時に、マカロン型クッション。吸水パッド。(くうちゃん・子宮頸がん・50代・女性)
●編み物
近所の手芸屋さんで買ったバーゲンの毛糸をきっかけに、30年ぶりにかぎ針編みに挑戦。一心不乱に編み続け、10日間の入院中に帽子1個とバッグ1個完成。かなりリフレッシュできた。(ぶさいくさん・乳がん・50代・女性)
●カーディガン
入院中、寒い時に羽織るカーディガン。(かきさん・卵巣がん・40代・女性)
●足湯バケツ
自宅療養中、手足が冷えたため足湯バケツで足を温めて冷えを解消した。(わかさん・乳がん・40代・女性)
●湯たんぽ
入院中に湯たんぽを毎日看護師さんに頼んで作ってもらっていたのですが、とにかく柔らかく使い心地がよくて、同じような物を探しました。今でも必ず寝るときには愛用しています。(みかちゃん・子宮頸がん・50代・女性)
本(上野菜穂子さんの守り人シリーズ)、湯たんぽ。(emiさん・子宮肉腫・50代・女性)
チルチルさんと同じく、私のイチオシアイテムも「枕」です。
病院に持ち込んで、その心地よさを肌身に感じて気づいたのは、「柔らかいものは、気持ちも同様にふんわりとさせてくれる」ということでした。温かいものも同じだと思います。
そんなことを書くうち、あるヨガの先生の言葉を思い出しました。「股関節が柔軟になると、心も柔らかになると言われている」とのことですが、それも同じコト……?(笑)
【抗がん剤治療中に役立ったモノ】
●髪の毛がついた帽子
入院中に売店へ行くときや、自宅で人が来たときにサッとかぶれてよかったです。(えみりんさん・乳がん・50代・女性)
●ケア帽子、爪のコーティング剤
(NOBUさん・乳がん・50代・女性)
●バスローブ
抗がん剤治療中、自宅で脱毛時に。(ヨネさん・乳がん・50代・女性)
●ウィッグ、自家用車
治療中は実家に帰省し、衣食住すべてお世話になっていたけど、自家用車はやっぱり便利。(6にゃんさん・乳がん・40代・女性)
●帽子
外出時に。(ノブさん・大腸がん・50代・男性)
あまり情報は見つけられませんでしたが、結局のところ役立ったのは、ケア帽子(脱毛中に使う、肌触りのいい帽子)と頭に巻くスカーフ。この2つがあれば、入院中、自宅療養中、外出中のいずれでも困ることはありませんでした。
ヨネさんの「バスローブ」は、抜けた髪がお風呂上がりの体にくっつかないためや、床に散らばらないためでしょうか。みなさん、それぞれに対処法があるのだな〜と思いました。
【手術後に役立ったモノ】
●マタニティ―用の下着
入院中からずっと、マタニティ―用のパンツ(下着)で傷口をフワッと守っていました。(ふわぷくさん・直腸がん・60代・女性)
●ひも付きポーチ
ドレーンが繋がれていた期間のひも付きポーチ(肩掛けは管を踏むのでよくないと思った)。(おこたんさん・乳がん・60代・女性)
●竹布のガーゼ
乳がんで全摘だったので、傷口にガーゼを当てて退院。傷口が擦れて痛いため、竹布のガーゼを適当な大きさに切って傷口に当てていた。傷の摩擦による痛みとストレスから解放された。(まりりんさん・乳がん・60代・女性)
術後の対処法も、気になるポイント!
私も「きっと痛いはず」と思い、縫い目がない「シームレス」の下着を買っていきました。傷口が当たって痛かった記憶はないので、効果はあったのだろうと思います。
おこたんさんの、「ひも付きポーチ」もいいですね。体に差し込まれたドレーンの先には、排出された体液などをためるバッグが付いていて、確かに私も、その置きどころに迷いました。
私のいた病院では、膀胱に留置するバルーンカテーテルのカバーを貸してくれました。ボランティアさんが作ってくれているそうです。きっとそのボランティアさんも、ご自身で困った経験があったのでしょう。ありがたく使わせてもらいました。
【日々の暮らしで役立ったモノ】
●杖
足腰が悪いわけではなかったのですが、入院生活で体力と筋力が落ちてしまい自立して歩くのもやっとだったので、体力が戻るまでは支えてもらっていました。遠出をするときは必ず使っていました。(ろこちゃん・胚細胞腫瘍・20代・女性)
●円座
自宅療養中や仕事中に。直腸がんで肛門痛が長引いたので。(アグリさん・大腸がん・50代・男性)
●スケジュール帳
毎日、体調を記録することで、自分の体の変化に気付くことができました。また、医療者にも病状を正確に伝えることができました。(チルチルさん・乳がん・40代・女性)
生活でだったモノは、多種多様!
私の場合は、家で使う「お風呂イス」です。40センチくらいの高さがあり、座りやすく小ぶりのもの。治療中はシャワーの間だけでも立ったままでいることが難しく、筋力も落ちてしゃがんだら立ち上がれず、お風呂のふちに座るとヘンな方向に倒れるという具合だったので、急遽、ネット通販で探しました。今も活躍中です。
今回のアンケートで登場したモノは、私たちの日常にあるアイテムがほとんど。入院や療養という特殊な状況のなかで、身近なモノをいかに活用するかがポイントだと思いました。
これまでに行ったアンケートは4つ。
「脱毛中の過ごし方」「うれしかった言葉」「お見舞いでうれしかったモノ」「入院中・自宅療養中に役だったモノ」です。
ここで集まった情報は、もともとは個々の経験のなかだけにあったもの。それを共有することで、多くの人の療養生活が快適になったり、楽しくなったりしていきます。
経験は、みんなのチカラになります。
アンケートをまとめるなかで、それを改めて実感しました。協力してくれたみなさん、本当にありがとうございました!
▼「みんなの「脱毛」アンケート! 〜楽しみ方、気持ちのアップ法も〜」記事はこちら
https://www.gsclub.jp/tips/15540
▼「みんなの「うれしかった言葉」アンケート! 〜何度も読み返したくなる一言集〜」記事はこちら
https://www.gsclub.jp/tips/16236
▼「みんなの『お見舞いでもらってうれしかったモノ』アンケート! 〜贈る人のアイデア満載のグッズがたくさん!〜」記事はこちら
https://www.gsclub.jp/tips/16348