今年は平年より一週間ほど早い梅雨入りとなりましたね。 この時期、水蒸気を多く含んだ低気圧が接近するため、湿度が上昇すると雲が広く発生して雨となるわけです。雨に濡れる紫陽花は美しく、つかの間の涼を運んでくれます。
とは言え、じっとりとまとわりつく湿気に気分も滅入りがち。体がだるい、やる気が起きない、頭痛がする、食欲がわかないなど体調不良を訴える人が増えます。 実はそれ、気圧と自律神経が関係しているんです。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。体と心が興奮状態の時は、交感神経が優位に、リラックス状態では副交感神経が優位に働きます。車に例えると、活動モードにするためのアクセルが交感神経で、リラックスモードにするためのブレーキが副交感神経です。 お互いがバランスをとりながら働くことで体の状態をいいコンディションに保ちます。
ところが、気圧が大きく低下すると副交感神経の働きが強くなりすぎることで、体がお休みモードとなり倦怠感を強く感じるようになってしまいます。 汗をかくこの時期、体内の水分やミネラルが失われやすく、自律神経の乱れから食欲不振となり栄養バランスが乱れて、さらなる体調不良を招くことになります。
そんな梅雨時の不調を解消する料理として、「ガスパチョ」をご紹介します。
ガスパチョはスペイン南部のアンダルシア地方の伝統的な冷製スープです。夏の熱波が38度に達することもあるこの地方で、水分と栄養を効率よく補給できる食べ物として広まったとも言われています。
トマトをベースに新鮮な生野菜、スパイス、オリーブ油などをすりつぶして作るこのスープは、太陽と情熱の国・スペインを象徴するかのように色鮮やかで、見るからに元気が出そうです。
材料のトマト、きゅうり、パプリカなどの夏野菜は、ビタミンだけでなくカリウムも豊富に含まれています。カリウムは利尿作用が高く、体内に溜まった老廃物や余分な水分を体外に排出する作用があり、このデトックス効果で血液の循環が良くなり、新陳代謝も活発になると体のだるさを解消できるというわけです。
ヴィネガーの爽やかな酸味とスパイスが効いた野菜のスープは、まさに「飲むサラダ」。ざく切りした野菜と調味料をミキサーにかけるだけ。加熱なしの簡単調理が、暑い夏には嬉しい献立です。 材料のパン粉が適度なとろみとなって、ゆっくり飲み込めるところもポイントです。キリッと冷やしたガスパチョを夏の定番料理に加えて、エネルギーチャージしましょう!
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「ガスパチョ」
【材料 1人分】
材料名 | 分量 | 1 | トマト | 150g(中1個) | 2 | きゅうり(皮をむいたもの) | 25g | 3 | 赤パプリカ | 10g | 4 | 玉ねぎ | 12g | 5 | にんにく | 1/2片 |
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6 | 【調味料】 | |
トマトペースト | 3g | |
水 | 大さじ2弱 | |
リンゴ酢 | 小さじ1/2 | |
粉パプリカ | 小さじ1/4 | |
クミンパウダー | 小さじ1/5 | |
塩 | 小さじ1/3弱 | |
生パン粉 | 15g | |
7 | エクストラバージンオリーブ油 | 大さじ2弱 | 8 | トッピング | 適宜 キウイ、アボカド、カッテージチーズなど身の柔らかいものを好みで | 9 | レモン汁 | 適宜 |
【作り方】
にんにくはみじん切りに、トマト、赤パプリカ、きゅうり、玉ねぎはざく切りにする。 *きゅうりの皮を除いた方がスープの色がきれいに仕上がる。 1と調味料の材料をミキサーにかける。オリーブ油を3回に分けて加えながら、滑らかになるまでミキサーにかける。 裏ごし器でこし、冷蔵庫で半日程度寝かせる。 *寝かせることで味がなじみ酸味がまろやかになる。 器に注ぎ、好みのトッピングをのせ、食べる時にレモン汁をかける。