こんにちは。クリコです。
今年のハロウィンパーティーは、目立ったトラブルもなく無事に終わりましたね。ハロウィンの象徴と言えばかぼちゃ。かぼちゃで思い浮かぶのが絵本の有名な一場面です。昭和30年代に刊行された講談社ディズニー名作絵本が我が家にもたくさんありました。「不思議の国のアリス」、「101匹わんちゃん」、「眠れる森の美女」などの芸術性に富んだ美しい絵と幻想的な物語、はじめて触れる異国の文化に心を奪われました。 特に、好きだったのが「シンデレラ姫」です。妖精が魔法の杖を振るとみすぼらしい服のシンデレラがドレスとガラスの靴で世にも美しい姿に、かぼちゃは豪華絢爛な馬車に変わりシンデレラを舞踏会へ送る場面は、何度見ても飽きることがありませんでした。
かぼちゃをモチーフにした作品で有名なのが、世界的アーティスト草間彌生さんです。水玉や網目模様の表現は強烈なインパクトを与えます。集合体恐怖症の私にとっては、見たいけど怖い、怖いけど見てしまう不思議な力のある作品です。かぼちゃを食材としか見ない私にとって、想像を超える異次元ワールドです。
2006年放送のNHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」は、作家・田辺聖子さんの半生を描いた自伝を元に制作され、私も毎朝楽しみにしていました。 タイトル「芋たこなんきん」は、浮世草子作家の井原西鶴が女性の好むものとして「芝居、浄瑠璃、芋、蛸、南瓜」を挙げた慣用句にちなんでいるそうです。流石の語呂合わせですよね。 西鶴と同じ大阪生まれの著者にとって「芋たこなんきん」は、馴染みのある言葉だったのでしょう。ちなみに、関西ではかぼちゃをなんきん(南京)、関東ではとうなす(唐茄子)、そのほかロスン、ボーボラなど地域によって様々な呼び名があります。
また、今は亡き名優・森繁久彌さんの芸能生活40周年を記念し、昭和50年に単発ドラマ「どてかぼちゃ 」が放送されました。庶民の哀感をどこにでもあるかぼちゃに例えたタイトルだそうです。脚本は向田邦子さん。森繁久彌・向田ファンとしては、見逃したことが残念でなりません。 「どてかぼちゃ 」のどては土手のことで、日当たりが悪く痩せた土手に自生するかぼちゃがちっちゃくて美味しくないことから「役立たず」と悪口に使われるようになったのだとか。 「この、どてかぼちゃがっ!」なんて悪態も最近ではあまり聞かなくなりましたね。
「冬至かぼちゃに年を取らせるな」と言いますが、保存がきき栄養も失われにくいかぼちゃも冬至を過ぎると栄養が減るので、保存は冬至までが限度という意味だそうです。夏に収穫したかぼちゃの水分が程よく抜け、ちょうど甘みが増して美味しくなる頃。免疫力強化に欠かせないビタミンAをたっぷり含むかぼちゃをたくさん食べて年越しに備えたいものです。
今回は、甘いかぼちゃを使ったイタリアの郷土料理「かぼちゃのアランチーニ」の作り方をご紹介します。第11回でご紹介した「かぼちゃのリゾット」を活用して作るライスコロッケです。 ホームパーティでも喜ばれること間違いなしです。ご家族みなさんでお楽しみください。
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かぼちゃのアランチーニ
【材料 6個分】
材料名 | 分量 | 1 | かぼちゃのリゾット | (*作り方は第11回「おかゆでかぼちゃのリゾット」参照)…全量(300g弱) | 2 | カマンベールチーズ | 1個 | 3 | 【バッター液】 |
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薄力粉 | 大さじ2強 | |
水 | 大さじ2 | |
マヨネーズ | 小さじ2 | |
4 | 細かいパン粉 | 適量 | 5 | 揚げ油 | 適量 | 6 | トマトソース(市販品) | 適量 | 7 | レモン | 1/4個 | 8 | ルッコラ | 適宜 |
【作り方】
かぼちゃのリゾットを作り、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間以上冷やす。*冷やすと揚げる時に爆ぜない 1とカマンベールチーズを6等分する。手に少量のオリーブ油(分量外)を塗り、リゾットの真ん中にチーズを詰めて丸める。 バッター液、パン粉の順につけ、160~170度に熱した油でじっくり揚げる。はじめの1分は触らず、残り2分は転がしながら揚げる。 皿にトマトソースを敷き3を盛る。レモンとルッコラを添える。