クリコです。 あけましておめでとうございます。
ここ数年は姉と協力し、時々母に味をみてもらいながらおせち料理を作っています。祖母から母へ受け継がれた味を私たち姉妹が守っていくことに格別な感慨があります。 子供の頃に好きだった栗きんとんも、たくさんは食べられなくなりましたが、今でも変わらずダントツNo. 1です。
正月明けで思い出すのが、仕事始めに晴れ着で出社していたことです。いつ頃から始まった慣例なのかはわかりませんが、私が会社勤めをしていた昭和50年代には多くの企業で見られた光景でした。髪のセットと着付けを済ませ慌ただしく満員電車に乗り込むと、正月気分は一気に吹き飛び忙しい日常生活に飲み込まれていきました。
そこへいくと、子供時代は呑気なものです。 私が子供の頃、昭和30年代の冬の遊びと言えば、凧揚げ、雪合戦、雪だるま作り、かまくら作り、おしくらまんじゅうなどでした。昔は東京もまとまった雪が降ったので、よく雪遊びをしたものです。 寒いからおしくらまんじゅうをしようと誰かが言えば、すぐに遊びが始まります。背中合わせになって「おしくらまんじゅ 押されて泣くな」と声をかけながら、背中やお尻で押し合い円から出たら負けという昔ながらの遊びです。子供は風の子。寒さなど苦になりませんでした。 雪合戦のあと、友達の家の炬燵に湿った服のまま入り、しばらくして出ると足から湯気が盛大に立ち上がって、「蒸し芋〜蒸し芋〜」とみんなに大笑いされた日の恥ずかしさが鮮明によみがえります。
炬燵の上にみかんが置いてある風景は、昭和の冬の風物詩とも言えますが、その当時の暖房器具の主流は電気炬燵と瀬戸火鉢でした。 半紙にみかんの汁で絵を描き、火鉢の火にかざすと茶色に浮き出てくる「あぶり出し」は、まるで手品のようでした。みかんを火鉢で皮ごと焼く「焼きみかん」は、甘みが増して熱々の果汁が口に広がり素朴なおいしさでした。母が火鉢で焼く餅もとてもおいしく、ぷくっと膨んで転がるのを見ているのは実に楽しい時間でした。 ルームエアコンの普及で住まい環境は快適になりましたが、それと共に記憶の彼方に置き去りになったものがたくさんあるようです。
さて、「おせちもいいけどカレーもね」のフレーズを覚えていらっしゃいますか。昭和51年のハウス食品「ククレカレー」のcmで、当時人気絶頂のキャンディーズが晴れ着姿で言ったキャッチコピーです。 令和3年にハウス食品が行なった「第6回年末年始大調査」(https://comeon-house.jp/opendata/006/index.html)の中で、「カレーを食べたくなるのは年明けいつ頃?」の問いに、4〜5日が36.1%、正月休み明けが27.6%、 2〜3日が18.8% 、1月中旬以降は15.7%、元旦が1.8%という回答結果になりました。 昔のcm効果の程はわかりませんが、甘いおせち料理の後にスパイスの効いたカレーでリセットしたくなる気持ちはわかります! というわけで、今回は特製ビーフカレーのレシピをご紹介します。
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ふんわり食感のビーフカレー
【材料 1人分】
材料名 | 分量 | 1 | 【全粥】 |
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ご飯 | 80g | |
水 | 240cc | 2 | 牛シート肉の肉だね | 100g *作り方は第2回「シート肉の肉だね」参照 | 3 | 【野菜】 |
玉ねぎ | 40g | |
にんじん | 10g | |
じゃがいも | 20g | 4 | 水 | 1カップ | 5 | カレールウ(市販品) | 1人分 | 6 | サラダ油 | 適量 | 7 | チャービルの葉 | 適宜 |
【作り方】
全がゆを作る。ご飯を茹でこぼし、さっと水洗いして鍋に戻す。水を加え強火にかける。湧いたら弱火で20分を目安に舌でつぶせる柔らかさになるまで加熱する。水が足りなければ適宜足し、水分を少な目に仕上げる。 牛シート肉の肉だねを用意する。フライパンを中火にかけ油を熱し、2等分した肉だねを入れる。ヘラで俵型に整え火を通し、一口大に切る。 フライパンに油を足し、1cm角に切った野菜を軽く炒める。水を加えて野菜がやわらかくなるまで煮る。 3の火を止めカレールウを割り入れ、弱火にかけとろみがつくまで煮て2を加える。 器に1と4を盛り、好みでチャービルの葉を添える。