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クリコ流ふわふわ介護ごはん
第32回 七夕の夜空は最高のエンタテイメント!!

掲載日:2024年7月1日 9時30分

 こんにちは。クリコです。

 幼い頃に勘違いして覚えている言葉ってありますよね。
 例えば、台風一過を台風一家とか。家族全員で襲撃してくる猛烈な破壊力をイメージしていました。土用の丑の日は土曜日が牛の日。何の関係があるかはわからないけどウナギを食べられる日と思っていました。

 歌の歌詞の勘違いもたくさんありました。
 君が代の「さざれ石の巌をとなりて苔のむすまで」をただれた石の岩の隣で苔を蒸し器で蒸す…まったく意味不明です。赤とんぼの「夕焼けこやけの赤とんぼ負われて見たのは」は、夕焼けを横目に見ながら、赤とんぼの群に追いかけらている自分。アルプス一万尺の「こやりの上でアルペン踊りをさあ踊りましょ」は、ハイジが子ヤギの上で踊っているところを想像していました。あるある!と共感してくださる方もいらっしゃるのでは?

 

満天の星空に生まれた切ない物語



  童謡「たなばたさま」の 「きんぎん砂子」を酢ダコと勘違いしながらも、夏の夜空を彩る天の川を渡り、織姫と彦星が年に一度だけ会えるという切なくもロマンチックな物語は、子供の心をもときめかせました。
 「砂子」は金箔・銀箔を砂のように細かくしたもので、天の川のきらめく星々を表していることは、成長してから知りました。

 毎年、七夕が近くなると母が買ってきてくれた笹竹に姉と2人で作った飾りや短冊を吊るしました。折り紙で作った細い輪っかをいくつもつなげて鎖にしたり、四つ折りにした折り紙の端から交互に切り込みを入れて伸ばして網飾りにしたり、笹竹を飾りつける時間はとても楽しいものでした。

 日本の七夕行事の起源は、中国の七夕伝説にあると言われています。
 天帝(天の神様)の娘「織女(しゅくじょ)」は、機織の名人で美しい織物を織ると評判でした。天帝が働き者の牛使い牽牛(けんぎゅう)を娘に引き合わせると、二人はたちまち恋に落ちて結婚することになりました。ところが、仕事もせず遊んでばかりの生活を送るようになった二人に激怒した天帝は、天の川の両岸に二人を引き離しまいます。あまりに悲しむ娘を哀れんだ天帝が、年に一度だけ会うことを許したという物語です。
 旧暦7月7日に、天の川を挟んでひときわ輝く一等星ベガとアルタイルからこの伝説が生まれたそうです。日本では織姫と彦星と名を変えて親しまれてきました。

 中国の行事「乞巧奠(きこうでん)」は、手芸や裁縫が上達するよう祭壇に針などを供えて祈りを捧げる習わしで、奈良時代に日本に伝わりました。機織り上手の織女にあやかり、7月7日に供え物や和歌を読んだ短冊を捧げる宮中行事となり、布を織る女性を「棚機つ女(たなばたつめ」と呼んだことから「たなばた」と呼ばれるようになったそうです。

古代の人たちは降り注ぐ星空に何を想ったのか



 江戸時代に入り、七夕は五節句のひとつとして幕府の公式行事となり、庶民へと広がって行きました。七夕を描いた歌川広重の浮世絵「市中繁栄七夕祭」には、家々に立つ無数の笹竹が描かれています。短冊、網飾り、吹き流しが風になびき、瓢箪、そろばん、盃、徳利、鯛などちょと笑える飾りもあって、派手好きな江戸っ子らしさが伺えます。
 短冊には願い事を書き、網飾りは豊作大漁を願って、吹き流しは織姫に供える織り糸を表し、巾着は金運上昇、折り鶴は長寿を願ってなど、飾りにはそれぞれ意味があります。
 江戸っ子に倣って、自分の願いを表現したオリジナルの飾りを作るのも楽しそうですね。
 

 古代人は太陽や月、星、雲、風の動きを観察して暮らしの基準としてきました。それらは畏怖の対象でもあったはずですが、刻々と変化する空の色や星の瞬き、月の満ち欠けの美しさに感動したり、天空は最高のエンタメだったのではないでしょうか。織女と牽牛の伝説もそんな美しい満天の空から生まれた物語です。

 平和、家族、仕事、勉強、健康、恋愛、習い事のことなど、たくさん願い事を書くほど華やかな笹竹になります。皆さんは七夕に何を願いますか。

 七夕祝いの膳に旬の桃で作ったスープを添えてみてはいかがでしょう。織姫と彦星に思いを馳せて、ご家族皆様 で七夕の夜を楽しくお過ごしください。

 

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 桃の冷製スープ



【材料 1人分】

材料名 分量
1 桃(皮と種は除く) 80g *桃の缶詰でも可
2 クリームチーズ 10g
3 牛乳 50cc
4 レモン汁 少々
5 少々
6 桃(飾り用) 適量

【作り方】

  1. クリームチーズを600Wの電子レンジで約10秒加熱して柔らかくする。
  2. 1、桃、牛乳、レモン汁をミキサーにかける。
  3. 冷蔵庫で冷やしてから塩少々で調味する。
  4. 器に盛り、飾り用の桃を刻んで添える。
クリコ 料理研究家・介護食アドバイザー 本名は保森千枝(やすもりちえ) 自身の介護経験から、加熱しても固くならない手作りの肉・魚介素材を考案。柔らかく、見た目に食欲のわく肉・魚介料理のレシピを多数開発。野菜ピュレを活用した野菜料理は、主食からデザートまでレパートリも豊富。 食べる人だけでなく作る人も一緒に楽しめる、そんな家庭の食卓作りをモットーとしている。 【Webサイト】 「やわらかい・飲み込み安い クリコ流ふわふわ希望ごはん」 https://curiko-kaigo-gohan.com/ 【主な著書】 「希望のごはん」(日経 BP社) 「噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん」(講談社)
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