こんにちは。クリコです。
「普通の女の子に戻りたい」という言葉を最後に解散したキャンディーズ。今頃の季節になるとラストシングルとしてリリースされた「微笑みがえし」が頭の中を軽やかに巡ります。
若い男女が別れそれぞれの道を行くというストーリーですが、明るい未来を感じさせる歌詞とメロディがとても好きです。
歌詞に「お引越し」というフレーズが何度も登場しますが、3月は新しい生活の準備に追われ、住み慣れた場所から引っ越すという人も多いことでしょう。
私も30数年前の今頃、結婚を機に新生活をスタートし、生まれて初めてマンションに暮らすことになりました。全ての部屋がワンフロアで繋がり、クローゼットは備え付け、玄関ドアはオートロック、管理人が24時間常駐など、一戸建てで生まれ育った私には何もかもが新鮮な驚きでした。 そんな暮らしにも慣れて2年もすると賃貸の気楽さからなのか、生来の飽き性のせいなのか、別の場所に住みたいという強い衝動にかられ、その度に夫を困らせたものでした。 結局、現在の住まいに落ち着くまでに5回の引越しを経験しました。
新しい土地の商店街、飲食店、公園、遊歩道、家々など、目に写る景色はいつも心地いい刺激をもたらしてくれました。その全てに今も深い愛着を感じています。
北斎は引越し好きだった
国立社会保障・人口問題研究所の「第9回人口移動調査」によると、日本人の生涯の引越し回数の平均が、だいたい3.24回だそうです。私は少々多いようですが、浮世絵師・葛飾北斎に比べればものの数にもなりません。 引越しの回数が桁外れに多いことで有名な北斎は、90歳の生涯で93回引っ越したと言われています。一年もしないうちに引越したことになりますが、部屋の汚れが限界になったら引っ越したそうで、1日に3回引っ越したというエピソードもあります。
自らを画狂老人と称した北斎は、その言葉通り狂ったように絵の世界に没頭したのでしょう。それほど何かに夢中になれること自体が、非凡なことに思えます。天才の脳内は凡人には理解不能ですが、環境の変化は、少なからず天才画家のインスピレーションを掻き立てたのではないでしょうか。
江戸っ子はミニマリスト!
江戸時代、長屋に暮らす庶民は、部屋も狭く収納スペースもないため、必要最小限のもので暮らしていました。火事が多い江戸では、荷物が少ないのは当たり前。季節ごとに必要な掻巻布団や蚊帳を損料屋(衣服・夜具・器具などを貸す店)で借り、着物は古着屋で買っていました。究極のミニマリストライフです。 そんな江戸庶民の引越しは超シンプル。家財道具は全て売り払い、必要な家具などは引越し先の古道具屋であらためて調達します。現代では考えられない暮らしですが、ものに縛られない自由な暮らしが少し羨ましい気もします。
引越しと言えば、引越し先の近所へのご挨拶にそばを配る「引っ越しそば」。この風習は、江戸時代中期に始まったそうです。「そばに引越してきました」にかけて、そばを手土産にしたのだとか。江戸っ子らしいシャレが効いています。 昨今では、そばの代わりにタオルや洗剤、お菓子などが一般的になっています。大のそば好きで知られる北斎ですが、引越し先でそばを振る舞ったという記録はないようです。そんな常識からは、かけ離れた存在であってほしいと勝手に思ってしまいます。
今はわが町に根付きたいと思う私ですが、時々ふと別の土地で暮らしてみたい衝動に駆られることがあります。居場所を変えることで何か新しいことに出会える、そんなワクワク感が一瞬心を満たします。
これから新しい環境、場所で新生活を迎える皆様、いいスタートが切れますようお祈りしております。 このコラム「クリコ流ふわふわ介護ごはん」も来月からリニューアルしてお届けすることとなりました。長きに亘り、ご愛読いただき大変ありがとうございました。あらためまして、深くお礼申し上げます。 見た目も味も満足できる噛みやすく飲み込みやすい食事のレシピをこれからもお届けしてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
今回はそばならぬ、冷や麦パスタの作り方をご紹介します。冷や麦は長時間茹でても溶けることなく、適度なコシを残しつつも柔らかい食感に茹で上げることができます。そばやパスタの代用にぜひお試しください。
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冷や麦パスタ アラビアータ
【材料 1人分】
材料名 | 分量 | |
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1 | 冷麦(乾燥) | 60g |
2 | アラビアータソース(市販) | 1人分 |
3 | エキストラバージンオリーブ油 | 大さじ1 |
4 | イタリアンパセリ | 適宜 |
5 | 削ったパルメザンチーズ | 適宜 |
【作り方】
冷麦はたっぷりの湯で30分を目安に、舌でつぶせるやわらかさになるまで茹でる。流水でもみ洗いし水気を切る。 フライパンにアラビアータソースを入れ温め、1を加え和える。 皿に盛り、パセリを添える。オリーブ油をまわしかけ、好みでパルメザンチーズをかける。
