うちのケーキを待ってくれる人がいるから、頑張れた
「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2017にいがた」に参加して
掲載日:2017年9月15日 16時25分
がんサバイバー・クラブ ~スタッフ便り~
がんサバイバー・クラブは、がんに関する有益な情報をネット発信し、一方で内外のオフサイトイベントを紹介している。たとえばセミナーやシンポジウム、患者会活動のお知らせがそれにあたる。
参加者が得た知識が治療やQOLの改善に活かされていると聞くととてもうれしく思う。参加の副産物としてサバイバー間の交流が始まる場合が往々にしてある。「同じ病歴の人と隣り合わせ会話が弾み、まるで旧知の仲のように思えた」と聞いたこともある。彼らにとって「がん友」との出会いはこのうえない貴重な糧となる。
「リレー・フォー・ライフジャパン2017にいがた」に参加して
「リレー・フォー・ライフ」という患者支援とがん征圧を目的とした世界的なチャリティ活動がある。1年を通じた活動の締めくくりとなる夜越え2日間のリレーウィークイベントが特徴だ。日本でも今年は49ヶ所全国各地で開催される。新潟市では、8月26日、27日にデンカビッグスワンスタジアムで第3回目が行われた。
がんサバイバーはイベントの主人公だ。サバイバーにはがん経験者の証となる紫のバンダナが手渡され、参加者はバンダナを身に付けたサバイバーを讃え祝福する。新潟ではがん種別のリボンも配布していた。
交流サロンでは、同じ色のリボンをつけたサバイバーがそれぞれのテーブルに集い、自分の体験を語り、仲間の話に耳を傾ける。青紫色、つまり胃がん・大腸がんのテーブルにオブザーバー参加させてもらった。
「でも、治療中もうちのお店のケーキを待ってくれる人がいたから頑張ってこられたんです」
何度もうなずきながら彼女の話を聞いていた同じリボンの若い女性を目にした。今井さんの生き様に励まされたに違いない。今井さんが隣の男性を紹介してくれた。
「がんと知りながら私をもらってくれた主人です」
彼は照れくさそうに笑顔で会釈をした。テーブル全体がとてもあたたかい気持ちに包まれた。(文:岡本宏之)