がんサバイバー・クラブ ~スタッフ便り~
11月12日、佐賀県庁の会議室は、日曜日の朝というのに熱気に包まれていました。 三日間にわたる公益財団法人佐賀県健康づくり財団主催の佐賀県がんピアサポーター養成講座の初日です。誰かのために役に立ちたい
ピアサポーター養成講座とは「ピア(当事者・仲間)」による傾聴ボランティアを養成する講座で、受講される方は、ご自身もがんの告知を経験された方やご家族の治療に寄り添った方ばかりです。 最初の自己紹介で、参加されたみなさんの想いが溢れ出てきます。 「辛い思いをしたから、誰かのためになりたい」 「悩んだときに、仲間に気持ちを支えてもらった」 言葉を詰まらせながらも、一言づつ丁寧に伝える方もいます。笑いながら苦しかったお話をされる方もいます。 自分の辛かった経験を誰かのために生かせる場所があることは、自らの経験を受け入れる一つのきっかけになるかもしれない。そう感じました。自分も何か役に立ちたい
小生は午後の一コマを頂戴しお話しさせて頂きました。 「相談を受けたとき、すべて自分で受け止めないことです。ピアサポーターでは解決できないこともたくさんあるんです」 「答えは相談者が持っています。相談者が答えに気付いてもらえるように傾聴しましょう。そのためには、相手の話を否定せず、話にかぶせず、じっくりと受け入れながら話を聞いてください。ゆっくりキャッチボールを続けていくことが大切です」。 そんな話をした後で、治療経験のある方、ご家族・ご遺族と様々な立場の方がピアとして活動する意味やその役割を一緒に学び考え、グループワークを通して、傾聴の大切さを体感していただきました。活躍できる場所の大切さ
家族や大切な人だからこそ辛い気持ちや不安をぶつけられない、同じような治療を経験された方や同じような境遇の方のお話を聞いてみたい、辛い気持ちを分かってもらえない等、がん向き合ったときには様々な気持ちが湧き上がってきます。 そんな時に、その思いを受け止めてくれる場所、その思いを置いていける場所があったらどんなに気持ちが楽になるでしょうか。 私も苦しい時には本当に多くの仲間に支えていただきました。今も感謝の気持ちでいっぱいです。 学びあいの場所は支えあいの場所にもなります。ピアサポーターが支えあって活躍できる場所となり、寄り添いを必要とする多くの方々が安心できる場所となっていただけるように願ってやみません。 最後に、温かく迎えていただいた公益財団法人佐賀県健康づくり財団のみなさま、佐賀のみなさまに感謝いたします。(文:がんサバイバー・クラブ運営委員 横山光恒)