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「頭が真っ白になった」とき

掲載日:2018年4月29日 13時41分

 がんサバイバーや家族は様々な悩みに直面しています。毎日の生活のこと、仕事のこと、家族のことなど病院の医師や看護師に相談しにくいことも少なくありません。日本対がん協会では2006年より「がん相談ホットライン」を始めました。たくさんの相談が寄せられ、相談員が一人ひとりの思いを受け止めています。新シリーズ「ホットライン便り」でお届けいたします。

「頭が真っ白になったとき」 ~がん相談ホットラインより~

 がんと診断された時、よく「頭が真っ白になった」と表現されます。実際、相談者の中にもそう話す方は少なくありません。  2人に1人ががんになる時代と言われ、誰もががんになる可能性はあるけれども、現実に自分の身に起こった時に動揺することなく受け止められる人はそう多くないでしょう。
 先日、乳がんと診断されたばかりだという方から、こんな相談がありました。  「頭が真っ白になってしまってよく覚えていません。手術するということだけは覚えていますが、治療のことはまったくわかりません。乳がんはどんな手術をするのでしょうか。もう私はダメということでしょうか」  声音(こわね)から、強い不安と混乱がはっきりとわかります。よくある相談の一つでもあります。
 私たち相談員が心がけるのは、いま抱えている気持ちや不安をじっくり聴き、気持ちを十分に受け止めることです。それで全ての不安を取り除けるというわけではありませんが、不安や戸惑いを抱えながらも、少し落ち着いて考えられるようになる方も少なくありません。  次にどうしたらよいかということに進むには欠かせないことなのです。  乳がんと一言にいっても見つかった時の病状は様々です。病状に応じた治療方針をたてなければなりませんが、そのためには今の自分の病状を知ることが大切になります。そして標準的な治療方法のことも理解することが欠かせません。
 受話器から伝わる声音、息遣いに耳をそばだてながら、丁寧に話していきます。決して急がない、いつも肝に銘じていることです。担当医の説明を振り返って一つひとつ整理していくことで、相談者に必要な情報や担当医に確認すべきこと、次に何をする必要があるかなどを理解していただくようにしていきます。  具体的なことはまた次回にお話したいと考えていますが、ともかく、限られた時間の中で病気や治療について知り、治療の選択のみならず、仕事や生活のことを考え決断していくことは難しいものです。  「これからどうしたらいいの?」  「誰に相談したらいいのかわからない」  そんな思いがよぎったら、「がん相談ホットライン」をご利用下さい。  あなたと共にこれからのことを考え、少しでも力になりたいと思っています。
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