垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 5月28日
●宗谷岬まで歩きたい!(5月26日)
26日の土曜日から連日、列車の力も一部借りながら、1日20キロほど歩いています。体調は大丈夫です。禁酒を続けていますが、とんかつ定食、天重など食事はしっかり取っています。那須高原は牧畜が盛んなので、牛乳やヨーグルトも積極的に味わいました。
26日は、東北本線で那須塩原から黒田原まで乗り、国道4号を北へ向かいました。この日の出会いは、若者3人組。自動販売機で水分補給をしていたら、声をかけられました。2日前にもコンビニで私を見かけたそうです。
3人は、北海道の最北端・宗谷岬まで歩いている最中。1日約20キロ進み、夜は公園でテントを張っているそうです。テントをかつぎ、ソーラーパネルを付けたカートを転がしています。宗谷岬には7月上旬に到着する予定とのことです。
私のウォークの趣旨を説明して、お互いに写真を取り合いました。インスタに上げていいか断ると、
「インスタやってるんですか?」
と驚かれました。この先、またどこかで会うかもしれませんね。
夜は新白河で宿泊。いよいよ福島県に入りました。
●芭蕉の言葉に思いを重ねて(5月27日)
27日の朝、新白河駅前で松尾芭蕉の銅像を見つけました。
《心もとなき日数重るまゝに/白河の関にかゝりて旅心定りぬ》
と「奥の細道」の一節が書かれています。簡単に言えば、「白河の関に到着して、旅をする心構えができた」というところです。
私は桐朋中学時代に授業で「奥の細道」を学び、修学旅行も「奥の細道をたどる」という形で、東北地方でした。芭蕉の言葉がすっと頭に入ってきます。感慨を覚え、自身のウォークに対する思いも重ねました。
この日の宿泊は、須賀川。静かな城下町で、風情があります。老舗の和菓子屋さん、カフェ、レストランが目に入ります。私の持論は、「カフェやレストランが多いところは、街がいい」。須賀川からもそれを感じました。
もう一つ、街で目立つのは、ウルトラマンやウルトラセブン、怪獣たちの人間と等身大の像です。ここは、特撮の神様と言われた円谷英二さんの故郷なのです。
しかし、何よりも印象に残ったのが、ホテルのコインランドリーでした。
利用しようとしたら、鍵を渡されました。洗濯200円、乾燥100円なのですが、お金の代わりにこの鍵を使います。鍵を返却するときに、その代金を払う仕組みです。
「2011年3月の福島第一原発の事故の後から、工事関係者がたくさん長期に泊まっています。そこで、コインランドリー代を子どもたちへのチャリティーに使うことにしたのです」
なるほど、とてもいい試みです。私は洗濯・乾燥の300円に加えて、500円の寸志をお渡ししました。
●カッコウの鳴き声(5月28日)
28日の朝、ホテルから須賀川駅まで15分ほど歩く途中で、カッコウの鳴き声を聞きました。今回のウォークで、ホトトギスの鳴き声はよく聞きましたが、カッコウは初めてです。
ふと、カッコウの托卵(たくらん)が頭に浮かびました。托卵とは、ほかの鳥の巣に卵を産むことです。その際、元からある卵を落としてしまいます。カッコウのヒナも、生まれると、本来の親鳥の卵を落としてしまいます。親鳥は、知ってか知らずか、カッコウのヒナを一生懸命育てます。
カッコウにとっても、子育ては大変な仕事。では、子育てしない時間は、生産的なことをやっているのだろうか? ヨーロッパのカッコウも托卵をするのだろうか? そんなことも頭をよぎりました。
歩いていると、会津磐梯山が見えてきました。気分は「奥の細道」です。
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