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5月30日 ルール・オブ・スリー

掲載日:2018年5月31日 17時21分

垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 5月30日




 今朝は早朝6時55分にホテルを出て、JR福島駅を目指しました。約4.5キロ。福島発8時5分の米沢行きに乗ろうと、急ぎましたが、逃してしまいました。30分後の電車は、わずか2駅で終点。次の米沢行きは、なんと12時51分までありません。

 さすがに4時間は待てないので、タクシーで大沢駅を目指しました。ところが、ここが本当に山の中で、熊が出てきそうなところです。
 1人で歩くのは怖いので、もう一つ先の関根駅まで行ってもらいました。途中、何軒かの家を見ましたが、冬はどうするのだろうか、などと気にかかりました。

 今日のウォークは、関根駅から米沢までです。
 山間部のこのあたりでは、ちょうど今が新緑の季節。ニセアカシア、シャクヤク、アヤメ、カキツバタなどの花が真っ盛りです。山形らしく、果樹園ではサクランボを見かけました。天気は薄曇りで、蒸し暑いくらいです。

 実は昨日、濃い茶色に白いスジが入った蝶のコミスジが、国道4号の歩道で死んでいるのを2回見ました。
「ルール・オブ・スリー」という言葉があります。ビジネスの世界では、「ポイントを3つにまとめると整理しやすいし相手にも伝わりやすい」という意味で使われているようです。しかし、私が知っているこの言葉は、「同じ現象が2つまであるのは偶然だけれども、3つあると、裏で何か原理が働いている」、そんな意味です。
 今日もコミスジが死んでいるのを見つけたら何かある。気を付けながら歩きましたが、飛んでいるのを見かけただけでした。

 この考え方は、がんの症例にもあてはまります。
 20世紀初頭のドイツで、染料工場で働いている工員3人が膀胱がんになりました。そこから、主治医で外科医のレーンは、いくつかの染料の原料に発がん性があることを突き止めました。職業性膀胱がんと言われ、今は先進国では根絶されています。
 18世紀後半には、イギリスの外科医ポットが、若くして陰嚢(いんのう)がんを発症する患者には、少年時代に煙突の中に入って掃除をしていた人が多いことに気づきました。陰嚢のしわにたまった煤(すす)が原因でした。

 1人で歩くのもまた、いいものです。あれこれと回想や思考のつばさを広げています。宿泊した米沢は、上杉家ゆかりの地。戦国武将の上杉謙信をまつった上杉神社などの史跡もありますが、ウォークも終盤、疲れがたまっています。
 史跡めぐりはやめて、米沢牛のステーキ定食を食べました。もちろん、水です。明日、帰京したら、お酒を解禁しようかなと思っています。


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