垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 6月7日
今朝は9時15分ごろに秋保温泉の宿を出て、宮城県立がんセンターまで、約16キロの道を歩きました。
同行したメンバーは、テルモの方2人、日本対がん協会宮城県支部(公益財団法人「宮城県対がん協会」)の方6人。合計9人で歩きました。テレビ東日本が密着取材です。9人で何本かの旗を持って歩いているので、目立つのでしょう。道行く人や車から、「何だろう?」という注目を浴びました。
緑濃い山からだんだんと市街地へ。不思議なことに、山形ではあれほどにぎやかだったカナカナ(ヒグラシ)に似たセミの鳴き声は、ここ2日ぐらいは聞こえません。
宮城県立がんセンターを訪問する約束の時間まで、4時間ほど。快晴で30度近い中を、トイレ休憩ぐらいで昼食も取らない強行軍です。支部の車が1台、伴走してくれました。エネルギー補給型の、チューチューと吸うタイプのゼリーなどを差し入れていただき、大変ありがたかったです。
病院の手前の“心臓破りの丘(笑)”を越えて、約束の時刻にゴールしました。
荒井陽一総長をはじめとする病院スタッフら多くの方に、横断幕とともにお迎えいただきました。リレー・フォー・ライフ・ジャパン・みやぎの方や、東京から来た日本対がん協会理事長の後藤尚雄の姿も見えます。
応接室でのご挨拶が終わると、会議室で交流会です。院内に掲示を貼ってくださった効果もあるのか、100人ぐらいはいらっしゃるようです。
最初に、吉田さんとおっしゃる70歳前後に見える乳がんサバイバーの方が発言されました。
「垣添先生たちが、病院の前の坂を登ってこられるのを見て、目頭が熱くなりました」
吉田さんは、東京都の受動喫煙防止条例が、国が健康増進法改正で定める内容よりも厳しいことを取り上げて、国のたばこ対策をどう思うか、とお聞きになりました。私は、
「受動喫煙対策に力を入れない国にオリンピック・パラリンピックを開催する資格があるのか。人の命より(たばこによる)税収を重んじる国に未来はありません」
と、持論を述べました。また、JTなどたばこ産業は、キャンペーンが極めて上手であることも指摘しました。テレビCMでも、ストレートに喫煙を勧めるのではなく、ソフトに思いやりのある社会を築くことをアピールする。気を付けないと、「うん、うん」とうなずいてしまいます。
吉田さんはさらに、
「日本はまだ、ピアサポーター(がんの経験者のサポーター)が手薄だと思います。もっと強化してほしい」
と訴えられました。私も同感です。と同時に、以前はピアサポーターという言葉すら使われていなかったことを思い出しました。そして、こう申し上げました。
「おっしゃる通り、地域によってばらつきがあります。大事な活動なので、全国的な底上げが必要です。そのためにも、声を上げ続けましょう」
リレー・フォー・ライフ宮城の女性は、ここのがん相談支援センターで、ボランティアもされているそうです。
「子育て中、仕事中のAYA世代(15歳~30代)の患者は、イベントなどになかなか参加できません。彼らが行きたいときに行けるような場がほしい」
AYA世代の方は、就職、結婚などの課題も抱えていて、さまざまなケアが求められます。宮城県立がんセンターの中ではカバーできているようですが、院外は難しいとのことです。やはり、発言していくことが大切です。
がん相談支援センターのリーダーの方からは、相談員へのメッセージを求められました。
「がん医療は、医療者が患者を治すことに必死だった時代から、5年生存率が60%を超えて、総力戦の時代に移っています。医療者と同時に、患者、家族、世の中が一丸となって向き合う時代です。大きな学会でも、ここ数年、患者や家族と医療者が一体となった発表があります。一丸となって立ち向かうことで、がん=死のイメージを変えましょう!」
意見交換も活発で、とてもいい訪問となりました。
夕食ですか? 吉田さんから「ぜひ牛タンを」と勧められたこともあり、ホテルの近くの専門店で、厚い牛タンステーキ定食をいただきました。お供は日本酒ではなく、生ビールです!
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