セカンドオピニオンの大切さ
掲載日:2018年7月4日 16時42分
がんサバイバーや家族は様々な悩みに直面しています。毎日の生活のこと、仕事のこと、家族のことなど病院の医師や看護師に相談しにくいことも少なくありません。日本対がん協会では2006年より「がん相談ホットライン」を始めました。たくさんの相談が寄せられ、相談員が一人ひとりの思いを受け止めています。新シリーズ「ホットライン便り」でお届けいたします。
セカンドオピニオンの大切さ
これまで、自分の生活や 望む生き方、考え方に照らし合わせて様々な観点から治療を考えていくことが大切だとお話ししました。
そして、だからこそ担当医に 疑問や心配な点を十分に確認することが必要だともお話ししました。
ただ、どれだけ担当医から十分に説明をしてもらっても、決断できなかったり、納得のいかないことが あったりするかもしれません。担当医に提示された治療が本当にベストなのだろうか?よりよい治療はないか?他の選択肢がないか確かめたいと思うこともあるでしょう。
そのような時は「セカンドオピニオン」という方法があります。これは「第二の意見」という意味ですが、治療について担当医とは別に、違う医療機関の医師に意見を聞くことをいいます。
検査データなどの資料や紹介状を持参し、それをもとに「意見」をもらうのがセカンドオピニオンになりますが、相談者の中には「転院だと思っていた」「最初から検査し直してもらえると思っていた」「治療(診察)してもらえると思っていた」と誤解している人は少なくありません。このようなことが目的ではありませんので、セカンドオピニオンがどういうものかを理解しておく必要があります。
また、「担当医に言い出しにくいため内緒でできないか」という質問も多いのですが、資料や紹介状がないとセカンドオピニオンを担当する医師もその患者さんにとって適切な意見が言えなくなってしまいます。病院によってはセカンドオピニオンを断られてしまうこともあります。それだけ持参する資料や紹介状は重要なのです。
少し話がそれますが、ここでもう一つ誤解の多い「紹介状」についてお話ししておきたいと思います紹介状というと「○○さんを紹介します」と書かれているものだと思っている人が意外に多いのですが、正式な名称は「診療情報提供書」といいます。これには 診断内容や治療経過など身 体の情報が書かれています。そのため担当医に用意してもらう必要があるのです。
次回はセカンドオピニオンについて具体的にお話ししたいと思います。