垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 7月20日
長万部の街中にある温泉宿を朝7時半に出て、歩きはじめました。国道5号は長万部から内陸に入ります。およそ15キロで国道と別れて、JR函館本線の黒松内(くろまつない)駅方面へ向かいました。
すると、私と同年代の男性が道路脇で休んでいました。聞けば、単独で、自転車で北海道一周旅行をしているとのこと。75歳だそうです。お互いに写真を撮り合い、エールを交換しました。彼は10キロの装備を自転車にくくりつけていています。
登山もやっているそうで、私の足元を見て、「いい靴だなあ」とおっしゃっていました。うれしい一言です。ドイツのローバーというブランドの靴です。靴紐のかかり方が絶妙で、足首が固定され非常に安定しています。東京・吉祥寺の「山幸」という小さな専門店で買いました。ここは店主もよく山に登っている店で、的確に選んでくれます。
黒松内町は、クマゲラの街です。マンホールにもクマゲラがデザインしてあり、黒松内駅では、無人駅なのに、どこかで録音したものでしょう、クマゲラが木をつつく音を流していました。黒松内は同時に、ブナの北限でもあります。そんな看板が出ていました。ブナは新緑も紅葉も美しく、好きな樹木です。
黒松内からは倶知安(くっちゃん)まで、1時間ほど列車に乗りました。1両編成で、ゆっくり進みます。
ちょっと残念な光景に出くわしました。途中のニセコ駅で、30代後半ぐらいのアメリカ人夫婦が、子ども2人を連れて降りました。お父さんは前に小さな荷物、背中にリュックを背負い、さらに重そうなスーツケースを2つ、持っています。若者2人も降りたので、どうするのかなと見ていたら、先に行ってしまいました。お父さんは、苦労しながら荷物を運んでいました。
ふと、妻とドイツへ行ったときのことを思い出しました。フランクフルトで列車に乗ろうとした私は、2人分のスーツケースをどうやって運ぼうかと思案していました。すると若い男性が、黙ってスーツケースをホームまで運んでくれて、ニコニコ笑って去っていきました。
言葉の問題ではないのです。大切なのは、ホスピタリティーです。スーツケースを持ってあげれば、日本の印象も上がったことでしょう。
夜はニセコ比羅夫のホテルに泊まりました。スキーシーズンには、オーストラリアやニュージーランドなどからの外国人で賑わうそうです。ホテルのバーのカウンターで一杯飲みました。ニッカウヰスキーの「余市」のシングルモルトをロックで。シェリー樽で熟成した逸品だそうです。贅沢なひとときを過ごしました。
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