垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 7月22日
朝一番からNHKの取材が入りました。
今日は中山峠へ向かいます。中山峠は、宿のある留寿都(るすつ)村の隣の喜茂別(きもべつ)町と、札幌市の境にあります。峠を越えれば札幌。とはいえ、標高835メートル。5月の連休ごろまで雪が残っていることもあれば、9月に初雪が降ることもある。手強そうです。
目的地の定山渓温泉まで、すべて歩ける距離ではないので、途中まで車で行き、午前8時前にふもとから登りはじめました。今日も対がん協会の中村智志が同行していて、NHKが要所要所で撮影します。
気温21度ぐらい。例によってオオイタドリ、フキ、カラマツソウ、白樺などを楽しみながら進みました。国道230号に沿って喜茂別川も流れています。
最初は涼しくてよかったのですが、向かいから来る車の多くがライトを付けています。もしかしたら、霧が出ているのかも。
予感は的中しました。9時ごろから小雨が降り出して、しばらくして雨具を身につけることに。ゴアテックスのウインドブレーカー、レインパンツを着て、ザックにもカバーをかけました。もちろん、スマホは防水パックに入れます。濃い霧を見ていると桐朋中学時代に習った「露点」「飽和水蒸気圧」といった言葉を思い出しました。
NHKの取材は11時前に終了しました。あとはマイペースで歩くだけです。清少納言の枕草子では、「春はあけぼの……」は有名ですが、「夏は」なんでしょう? 同行者の中村は文科系なのに(笑)、即答できません。
「夜」なんですね。秋は「夕暮れ」です。カラスが巣へ帰る様子を「三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐ」と表現しています。単純に数字が上がるわけではなく、リズミカルです。そんな話もしながら登りました。
雨は降ったりやんだり。霧はどんどん濃くなります。スマホで距離を確認しながら、そろそろ頂上かなというころに、すれ違った乗用車が停まりました。何だろうと思って行くと、はっきり聞き取れませんでしたが、励ましていただいたようです。がんサバイバー支援の幟をご覧になってのことか、数日前に北海道新聞に大きなインタビューが載ったからか。
いずれにしても、うれしいお声がけでした。力が湧きます。なおも登っていると、対向車線で、今度は後ろから来た車が停車しました。
窓を開けて何か呼びかけている顔をよく見ると、札幌医科大学学長の塚本泰司先生でした。私と同じ泌尿器科医で、以前から懇意にしています。アシスタントの森田幸子からウォークのコースをお聞きになっていたのでしょう。驚く私に、対岸から、
「もうちょっとですよ!」
という声が飛んできました。
なんてことなさそうですが、この一言も、大きな励みになりました。
奥様とお子さんも乗っています。塚本先生は、お子さんが小さかったころ、万一に備えて夫婦で同じ飛行機に乗りませんでした。海外の学会に奥様を同伴されることもなく、私たち夫妻と塚本先生で何かをすることもしばしばありました。
一度、がん研有明病院名誉院長の山口俊晴先生(北海道出身です!)と一緒に、ご自宅に遊びに行ったことがあります。そのとき小学生だった男の子が35歳。時の流れは本当に早いと実感しました。
少し先の「峠の茶屋」で待っていてくれて、休憩。コーヒーをごちそうになり、名物のあげじゃがを頰張りながら、旧交を温めました。感謝です。
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